ここまでを見ていただいてもわかるとおり、木には私たちに優しい、数多くの作用があることがお分かりいただけたと思います。あるプレハブメーカーの社長氏は、商品としてプレハブ住宅を販売しているにもかかわらず自身は木造住宅に住んでいたという笑い話のような逸話も存在するほどです。
木はこれほどまでにすばらしい素材なのですが、天然のままの素材であるため、「燃える」「腐る」「狂う」といった、私たちでは対処しきれない問題があります。
この問題に取り組むことは木造住宅の高性能化への必須課題でした。冷暖房の一般化、断熱処理の施工技術が普及したことなどにより、木材への耐久性、形状安定の欲求が高まり、関心が集まっているのです。
そこで出現したのが集成材を用いた「エンジニアリングウッド」と呼ばれる木材です。その許容応力度は無垢材の150%にものぼると認められ、今までの木造住宅では実現できなかった広い空間作りも容易にできる、まさに「スーパー木材」ということができるでしょう。
無垢材の欠点である品質のばらつきもなく、施工後の変形も少ないことから、乾燥や収縮などによる割れや狂いが生じることがなく、一般的に言う「ガタつき」の発生を最小限に抑えることができる優れものなのです。
柔軟な加工ができることもエンジニアリングウッドのメリットといえるでしょう。アーチ形状なども容易に作れ、梁に集成材を使用、それをあらわした骨組みは気の持つ暖かさを与えることができるのです。
エンジニアリングウッドを使用した金具中心の接合方法では、旧来の墨付けや仕口加工という熟練技術を省くことができ、なおかつ優れた強度を確保することができるなど安定した品質を得ることができます。
長年の技術と勘を持つ優秀な大工の数が減り、ビルド&クラッシュ、間違った価格破壊の風潮が強まる住宅業界において、真の住宅の木質、真の快適な住まいの実現への重要な役割を担う可能性のあるエンジニアリングウッド…私たちに「木の住まい」を再確認させてくれるこの素材に、ぜひ注目してみてください。
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