7月に横須賀で大雨が降りました。赤外線カメラで何気なく事務所にあるポスト受けを映してみると
青く縦長に雨漏りしているのがハッキリと映っています。その後晴天が続いたので改めて赤外線で見ると、
水が乾燥したのか雨漏り判定があった場所はすっかり消えていました。目視では全く分からない雨漏り。
あの大雨のお陰で雨漏りを見つけることができました
ここからわかる事は赤外線カメラはぬれている箇所を特定するので雨の流れ込んでいる箇所が
乾いてしまう状況だと見つけられないということが分かります。
雨漏り箇所を特定!赤外線カメラ
でも赤外線カメラでは水を見つける事はできません。では、どうして青く映ったのでしょうか?水がしみている部分、木材や壁紙は冷たくなっているからです。水は気化するときに気化熱を必要とします。水が蒸発するとき水は周辺から温度を奪っていくので水にぬれたまわりの温度は下がって冷たくなるので青く確認できているのです。
そこで雨漏りの状態を再現するため散水試験として、
まず最初に川合材木店の入口のドアを霧吹きでぬらし赤外線カメラで確認してみました。
散水前入口写真
散水前写真です。
散水予定箇所温度は34.8°cです。
赤外線カメラを使って
検証してみます。
霧吹きを使ってしっかりぬらします。
散水後入口写真
散水後写真です。
霧吹き散水箇所は34.2°cです。
しっかりぬらしました。
5分後計測
霧吹き5分後計測。
散水箇所は33.4°cです。
目視では水がだいぶ蒸発しているように見えますが、時間が経過する方が温度が下がっているのがかわります。
暑い夏に地面に打ち水をすると涼しくなるように、水は蒸発して気体になる際に周りから熱を吸収していきます。屋根や壁の表面や内側に濡れているところがあると、そこは周りより少し温度が下がるという事です。この現象を利用して建物を赤外線カメラで映し、周りより温度が低い箇所がないか捜すことにより外側からは見えない水の通り道を見つけようとしていています。
もちろん、どの程度の温度差を測定できるかといったカメラの精度や調査時の季節、天候、建物内の冷暖房の状況などによっても条件によって左右されるため、赤外線カメラでの調査にも限界はありそうですが目視できないものが確認できるという事はすごいですよね。
今回の散水試験でわかる事は、
さらに雨漏り判定以外の使い方として物体から出ている赤外線を検出し色により物体表面の温度を知ることもできます。参考までに事務所の中のものを映してみました。高温の部分は赤色、低温の部分は青色になります。
家電のどこの部分が頑張っているのか一目瞭然ですね。
この機会に、ご自宅の壁や外壁のひび割れ。ベランダ付近を調べてみてはいかがですか?このカメラでの雨漏り診断は水が通ることで生じる温度変化を利用します。この温度差を確認することで、だいたいの水の侵入と侵入経路を特定することができます。特に建物内部などの目視で確認することが難しい箇所の雨漏りに有効です。雨漏り見てもらいたいけど、見積もりは無料なのか。とか、いらない工事までされて値段が高くならないか。とか。色々心配なこともあると思います。それよりも、雨漏りをそのままにしておくとドンドン悪化していきます。雨漏りが続くごとに屋根裏に水がたまったり、クロスが濡れてカビてきたり…。状況は悪化していきます。結果的に家の価値や資産価値も下がりますし修理するときも悪化した分だけ更にお金がかかってしまいます。一度これは雨漏りかな?と感じたら早めの対策が大切ですね。